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社会福祉法人コスモスがめざすもの

国民の権利としての、社会福祉の進歩を築きます。
社会福祉の公的責任と市民の共同性を追求します。

理事長のつぶやき

若いお父さんの「神対応」

2018.11.09

地下鉄新金岡駅から 若いお父さんが3人の子どもを引き連れて、乗車してきた。

一番大きな女の子で5歳ぐらい。元気な4歳ぐらいの男の子と3歳ぐらいの女の子が後に続く。

この子たちの母親は、おそらく家の用事があるので「動物園にでも行っといで」とお父ちゃんにこの子たちを託して送り出したのだろう。「1人で3人の子どもを引き連れ 大変やなあ」と思って見ていると案の定、吉本新喜劇のようなてんやわんやの状況が目の前で繰り広げられた。

まずは4歳ぐらいの男の子。リュックの下から、たすき掛けにした水筒を無理やり取ろうと四苦八苦している。お父さんは女の子二人を両足に支えながら、2メートルほど離れたところでリュックと水筒の間でもがいている男の子に「まずリュックを取らな抜けんやろ」と声をかけている。 

すると、お父さんの足元の大きな方の女の子が「なぁ どこまで乗るん?」。続いてもう一方の足にしがみついていた妹らしき女の子が「なぁ どこまで乗るんや?」と追い打ちの声かけが始まる。二人は自分たちがした質問の答えも聞かないでさらに「今日は何時まで」「12時やろ?」「12時になったら帰るんか?」と矢継ぎ早の質問でたたみかける。

「なー いつ帰るん?」何度も問いかけられた父親は「もう 今すぐでも帰りたいわ」とタメ息交じりに応える。その返事の仕方に「神対応」を感じた。自分が若いころなら置かれた状況に余裕がなくなって、つい「昼まで!」とか「静かにしとき!」と強い調子で叱っていたのではないか?

なのにこの若い父は、子どもたちの質問攻めを無視することなく、同時に自分の困っている状況を素直に子どもたちに伝えている。そんな父ちゃんと3人の子どものやり取りをほほえましく見ていた。すると、子どもたちはドア近くに貼ってある路線図を見ようと 少し混み始めた車内を活発に行き来し始めた。揺れる車内を器用に走り、乗客に体がぶつかることはないが、それでも背負ったリュックが吊り革を持つ人の足元をかすっている。普通なら「やめなさい」と叱るところだと思うが、そのお父さんのひと言は「走り回って 怖いオッチャンにぶつかったら 怒られるで」

この言葉かけも絶妙に思えた。「走りまわるな」でも「ぶつかるな」でもなく、「まわりの状況を見てるなら動き回っても かまへん」「子どもやから 動くのはしゃーない」というふうに聞こえる。

自分だったら この状況で このタイミングで こんな声掛けができるだろうか?

見ると、まわりのオッチャンは苦笑し、おばちゃんはニコニコしている。

そこにいる みんながハッピーになる できごとだった。

社会福祉法人コスモス

理事長 河野 直明